【普通】
・現代中国語でも日本語と基本的には同じ意味で普通 pǔ tōng という。
・全唐詩・陳元光の作品中に「百粵霧紛滿,諸戎澤普通。」という句がある。
・唐代、五台山には巡礼者の為に普通院という宿泊所が設けられていた。
・鎌倉時代の僧良季の著述に『普通唱導集』がある。
・遡ると先秦両漢の古典には用例が見当たらず、南朝梁の年号(普通元年~八年、西暦520~527)に現れるのが古い例。
・南朝梁の年号は武帝の代で、仏教が大きく興隆した時期であり、武帝も在位中に何度か自ら捨身するほど傾倒した。
・年号出現の時期からして、大乗仏教の全ての人が救済の対象になるという思想に感化されて造られた言葉かもしれない。この意味で近い表現を古典に探すと「普天之下,莫非王土」というのが当たらずとも遠くはない。
・語源が大乗仏教の思想であるとすれば、普通教育・普通選挙、また現代中国語の普通話(共通語)のように、普遍または平等などと置き換えても意味が通じる包摂的文脈での使い方が本来で、一般的・つきなみのような意味で選別的に使うのは二次的な派生ということになる。
・以上の推測は現代語までの中間の検討が不足している。
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