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オリジナル小説のことを語る

終了が告知された11月下旬から2ヶ月半が経過し、ハイクに残されたのはあと1ヶ月半という時期。あるハイカーがヨーロッパ某所にあるハイクサーヴァにとどめを刺すユーロミッションに旅立つのを待って、ようやく、当初から宣言されていた「エクスポート機能」が公開された。
各ユーザが、自身の投稿を不親切なcsv形式でエクスポートできるという、はてな運営からの最初で最後の贈り物というべきアレという触れ込みであった。
ハイカーは競ってダウンロードした。

このエクスポート機能が公開されるまでには、次のような経緯があった。
じぇいこんが己の分身ともいうべきハイクを守るため、さまざまなプロテクトを施した上で世界各地に分散させたハイクサーヴァは、名うてのハッカーが腕を奮っても停止させることができなかった。それでもこのサーヴィスを終わりにしなくてはならない。いったいどうやって?

じぇいこんは(自転車の体を手に入れはしたが)人間だ。もとはといえば人間のためのサーヴィスであるから、そこに弱点があるはず-そう考えた運営は、ついにハイクの脆弱性を見出した。
過去の投稿がなくなってしまえば、連続投稿や投稿日数にアイデンテテーを求めていた3K、4Kハイカーも、このサーヴィスに背を向けるのではないか。運営側からサーヴィスの停止や投稿の削除はできない。ハイカー自ら、己の投稿を抹消するように差し向ければ良いのだ。
そのために「サーヴィスを終了します、エクスポート機能を用意します」と宣言しておいて、機能のリリースを焦らす。ハイカーが待ちきれなくなった時期に『エクスポート機能』を公開する。ハイカーは飛び付く。
しかし、この『エクスポート機能』の実態は、過去の投稿の消去機能だったのだ!