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florentine(磯崎愛)のことを語る

id:y_arimさま
 
こんにちは、はじめまして。
いつも日記など興味深く読ませていただいております。
こちらへお呼びたて申し上げましてごめんなさい。
 
>ぼくの性嫌悪も「なんかばっちぃ気がする」なわけだが(実際、わりと最近まで古本に触れなかった)、どうしたらいいんだろう
  
わたしのこたえも、letterdustさんと同じなのですが……。
愛するひとを見出すことができれば、嫌悪感はどうにかうっちゃることができるのではないかと。
とはいえ、わたしは、「恋」を文字通りの意味での「受難」、パッションという名の責め苦だと思っていて、聖フランチェスコばりの奇跡に似たものと受け止めています。
つまり、そう簡単に恋に落ちるなんてことはそうそうナイと考えていますので、解決策としてあまりに頼りない(もちろん、「恋」は万能薬ではありませんしね)。
    
それで、せっかくIDコールしていただいたので、自分の問題でもありますから、考えてみました。
野暮で見当違いなマジレスというやつなのかもしれませんが、
有村さんのおっしゃる「なんかばっちぃ」の、「なんか」って何なのだ、という点を徹底して分析してみるとよろしいのではないでしょうか?
  
わたしにも、「性嫌悪」はあります。
「嫌悪」というより、「恐怖」と呼ぶほうがふさわしいかもしれません。それはまた、互いに重なる問題であるとも思います。
そうしたものがどこに兆すのか、植えつけられたのかについては、けっこう長い時間をかけて考えましたし思い出すようにもつとめました。
「性」というのは、「生きる」ことそのものに根ざしてしまう問題でもありますし、個人的な尊厳と関わる大事なことだと思います。
以下、お役にたてるかどうかわかりませんが。
 
「性嫌悪」のなかには、「性行為嫌悪」(自慰行為と、他者と一緒にする性的ふるまい)と「肉体嫌悪(自他の区別と、それぞれの身体的部位による差異もあり)」などが含まれていると考えられます。「見る」のはいいけど「接触」はイヤ、逆に「見られる」ならOKなどの、様々なレイヤーがありえます。
また、それらへの嫌悪・躊躇いというものは、けっして同じではないでしょう。どれに対しても嫌悪感を催すにしても、その程度や意味合いなどが一様ではないと思われます。
それを一個いっこ問いただしていくとドツボにはまって余計タイヘンな想いをすることは確実でもありますが(苦笑)、いっぽうで自分自身を深く理解したり、また他者から見た自分へのバイアスや社会通念などがより以上に可視化されたりして、良いこともきっとあるのではないかと。
わたしはこの作業を小説を書くことで一年ちかく行ってしまい、気づいたら、1500枚くらい書いちゃってました(笑)。どこに発表するあてがあるわけでもないし、実は、はじめから上記のような内容を書こうとしていたわけではありません。結果的に、「書く」という行為が自分自身に客観を迫ったのだと思います。
「どうしたらいい」かという疑問については、やはりよくそれを「理解」して方策を導き出すのがよいのではないかと、自分の体験を申し上げました次第です。
(それでスッカリ楽にはなっていないですが、はてなでこうしてジェンダーや性について自分の考えを書ける程度にはなりました。今でも苦手ではありますが、以前は性的なはなしをひとさまとすること自体、とても不安で苦痛でしたので)
 
はなしを「嫌悪」というものへと戻します。
わたしは「古本」は平気ですが、「古着」は手を出せません。身に添うものはイヤなようです。けれど、形見分けなどは喜んで着ます(ちょっとはなしの次元がずれますが 笑)。これは、「知っている」ということからくる「安心感」にあると感じます。
見知らぬ他者との距離は遠く、不安をもたらします。ときとして「嫌悪」の対象となりやすいです。けれど、ひとを好きになると、そのひとの近くに寄り添いたくなり、心身ともに、この「距離」を埋めようとするのではないでしょうか。
ロマネスクにすぎるかもしれませんけど(笑)。
 
それから、上のはなしと関連しますが、「性的興味・関心」に限れば、「未知」であるからこそ、己と違う「他者」であり、その距離が遠ければ遠いほど魅了されるという要素もあることでしょう。 
「嫌悪」を払拭するためには「安心」や「既知」、べつのことばを用いれば「信頼・信用」などが重要でしょうけれど、「性的魅惑」にはおそらくそれと逆のベクトルが働いているものと思います。
畢竟、恋というのは自分と半分似ていて、半分違う他者を想うものではないかとわたしは考えます。
そのバランスをどう取ればいいかは、恋人と一緒にはなしあい、互いに考えて行動していく問題だと思います。
なので、はじめに必要なのは、「安心」「信頼」のほうだと、個人的には思っています。もしかすると、それはわたし個人の体験に由来するものか、または女性ジェンダーであるがゆえのことかもしれませんが。
 
以上、長々とおはなしさしあげましたが、何かわかりづらいところなどありましたら遠慮なくおっしゃってください。それから、見当違いでとうにご存知のことばかり書き立てていたり、または失礼などありましたら本当に申し訳ないと思います。どうぞお許しください。
 
すこしでも、お役に立てれば幸いです。