id:burieさん
またもやコメント書き込みできたかったので(字数オーバーかな?)こちらで。
谷崎、思わず唸らせられるほど巧みな筆致と思います。隙がないと申しましょうか、「小説力」(っていうんですか? 小説家偏差値みたいな総合力?)がやたら高い。
あれは妄想ですよね。いわゆる「幻想としての女性」。
そして、そのファンタジー部分と、奇妙な風体のリアリスム描写(たとえば『細雪』の帯の音であったり、下痢のはなしであったり)が乖離していないところが凄い!! と、個人的には思っています。
それから、これは「フィクションの書き手の言い訳」だと充分に承知のうえでぶちまけてしまいますと(自己弁護と同等です~汗)、バイアスというものは、その作家の生命線でもあると思うのですよ。この世の見方が偏っている、その歪なフィルターが作家の世界観でもあるので、「気づき得なかった」のかどうかわたしには結論は出せないのですが(大谷崎の場合、気がついていても訂正はしなかったという図太さもありそうです)、ソレがために、『少将滋幹の母』のような、若かりしわたしをドン引きさせながら、なおも忘れ難く美しい物語を書いたのであろうと思われます。
もちろん、元ネタがあるわけですが。料理の仕方が、巧い。あざとい(笑)。しかも、これがまた恐ろしいことに、技術じゃないところできちんと余韻が残る……と思い出しながら書いてみました☆