id:florentine
オススメのことを語る

『日本の美を語る』高階秀爾 編著
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%C6%FC%CB%DC%A4%CE%C8%FE%A4%F2%B8%EC%A4%EB
以下コピペ。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「源氏物語」 から 「現代建築」 まで
西洋とはまったく異なる日本人の美意識は、いかにして生まれたのか。「見立て」 「尽くし」 「間」 「笑い」 「水」 など日本の美を読みとくキーワードをもとに、文学、哲学、文化人類学、心理学、建築の各界で活躍する第一人者が日本文化の真髄を徹底的に論じ尽くす。
【目次】

小島孝之・高階秀爾・田中優子・丸谷才一
尽くしの宴
 尽くしもの尽くし / 日本文化の祝祭性 / 近代文学における尽くし
 配列の文体 / 絵画と物尽くし / 「百」 にとりつかれた日本人

大岡信・大橋良介・高階秀爾
短詩の言語 屏風絵・和歌・俳句
 一体化する絵と文字 / 美術と工芸 / 俳句の世界性
 ホモ・サピエンスとホモ・エステティクス / 表音性と表意性 / 「破片化」 の問題

秋山虔・今道友信・河竹登志夫・高階秀爾
引用 表現の拡大と新生
 「引用」 とは何か / わからない人は野暮 / 引用とパロディ
 『源氏物語』 のなかの引用 / 剽窃という創造性

秋山虔・今道友信・河竹登志夫・高階秀爾
笑いの文化誌
 笑いの多義性 / 『源氏物語』 におけるほほえみ / 文化としての笑い
 日本的な笑い / 性と笑い

高階秀爾・山口昌男
「見立て」 と日本文化
 展示の詩学 / 神と 「見立て」 / 「つくり」 と 「もどき」
 「見立て」 と比喩 / 日本的ディコンストラクション
 共同体の場の創造 / 日本的美学とその問題点

大橋良介・高階秀爾・田中優子・橋本典子
年中行事の文化論
 年中行事の世俗性と宗教性 / いろいろな 「神様」 / 「繰り返し」 の意味
 年中行事の歴史的変遷 / 育てる 「時」、滅ぼす 「時」
 ほどける 「時」、熟す 「時」 / 晴(はれ)と褻(け)
 再生としての年中行事

大橋良介・河合隼雄・高階秀爾
死=再生の諸相
 輪廻思想と芸術表現 / 日本的ヌミノーゼ / 父性と近代科学
 箱庭療法と再生のプロセス / 美的感性と論理 / 夢/現実の死

高階秀爾・田中優子・山口昌男
橋と象徴 記憶としての文化・市場
 出発点としての橋 / 異界としての橋 / 橋と死 / 浮橋・舟橋・流橋
 遊女と橋 / 橋の空間性・時間性 / 記憶としての橋

大橋良介・佐野みどり・高階秀爾・芳賀徹
水の感覚と表現 絵画・文学・思想
 日本の風土と水 / 流れる水と音感覚 / 水の文学と絵画
 水の触覚的表現 / 伝統的紋様と水 / 聖性と脅威の美学

磯崎新・高階秀爾・橋本典子
光の造形化をめぐって 建築・芸術・文化
 地中海の光/ゴシックの光 / 光の特殊性と普遍性 / 現代建築とゴシック
 日本建築にみる光の舞い / 自然の循環と超越 / 大和絵と水墨画
 太陽の光/月の光 / 光のアンビギュイティ / 現代における照明の問題

磯崎新・河竹登志夫・高階秀爾・橋本典子
「間」 関係性を創出するエネルギーの場
 定義の多様化 / パフォーミングアートと 「間」 / 空(うつ)なる場所
 飾りの空間 / 伸び縮みする時間 / 「間」 と沈黙 / 「間」 の伝承
 関係性の場 / エネルギーを内在する 「間」

* 編著者について
* 対話者について(五十音順)

* 初出一覧

編著者] 高階秀爾(たかしな・しゅうじ)
1932年東京生まれ。美術史家。国立西洋美術館館長をへて、現在大原美術館館長。東京大学名誉教授。おもなる著書に、『名画を見る眼』(岩波新書)、『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫)、『日本絵画の近代』 『西欧絵画の近代』 『西洋の眼 日本の眼』(以上、青土社)、ほか多数。

[対話者] 秋山虔(あきやま・けん)
1924年岡山県生まれ。国文学。東京大学名誉教授。『源氏物語の世界』 『王朝女流文学の形成』。

[対話者] 磯崎新(いそざき・あらた)
1931年大分県生まれ。建築家。磯崎新アトリエ代表。『始原のもどき』 『反建築史』。

[対話者] 今道友信(いまみち・とものぶ)
1922年東京生まれ。哲学者。哲学国際センター所長。英知大学教授。東京大学名誉教授。『同一性の自己塑性』 『美の位相と芸術』 『知の光を求めて』。

[対話者] 大岡信(おおおか・まこと)
1931年静岡県生まれ。詩人。文藝家協会理事。『大岡信詩集』 『折々のうた』。

[対話者] 大橋良介(おおはし・りょうすけ)
1944年京都府生まれ。哲学。大阪大学大学院教授。『時はいつ美となるか』 『 「切れ」 の構造』。

[対話者] 河合隼雄(かわい・はやお)
1928年兵庫県生まれ。臨床心理学。国際日本文化研究センター所長。『昔話と日本人の心』 『イメージの心理学』。

[対話者] 河竹登志夫(かわたけ・としお)
1924年東京生まれ。比較演劇学。早稲田大学名誉教授。『歌舞伎』 『舞台の奥の日本』。

[対話者] 小島孝之(こじま・たかゆき)
1943年東京生まれ。国文学。東京大学文学部教授。『異文化理解の視座』 『中世説話集の形成』。

[対話者] 佐野みどり(さの・みどり)
1951年東京生まれ。日本美術史。学習院大学哲学科教授。『風流 造形 物語』 『中世日本の物語と絵画』。

[対話者] 田中優子(たなか・ゆうこ)
1952年神奈川県生まれ。近世文化・比較文化。法政大学社会学部教授。『江戸の想像力』 『江戸百夢』。

[対話者] 芳賀徹(はが・とおる)
1931年山形県生まれ。比較文学。京都造形芸術大学学長。『平賀源内』 『絵画の領分』。

[対話者] 橋本典子(はしもと・のりこ)
1948年東京生まれ。美学・哲学。青山学院女子短期大学教授。『美の本質と様態』 『科学と宗教』。

[対話者] 丸谷才一(まるや・さいいち)
1925年山形県生まれ。作家。『たった一人の反乱』 『樹影譚』 『輝く日の宮』。

[対話者] 山口昌男(やまぐち・まさお)
1931年北海道生まれ。文化人類学。札幌大学特認教授。『道化の民俗学』 『内田魯庵山脈』。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上。
 

とっても興味深くて面白い本ですが、ええと、わたしとしてはもっと読みたかったと。
各人一冊ずつ対話してもらっても全然OK的な、内容濃くてそのほうがいいんじゃないかなって思ったりも。
思想史としての一面もあり、視覚芸術と言語芸術双方にわたる(演劇や歌、祭りにも言及あります)、または交差しまくる「日本の美」を感得するに学ぶものが多い本かとオススメです。