ルネッサンスをめぐる若干の覚書(二)
http://www.gendaishicho.co.jp/news/n2678.html
今回は、このキーワードで。
ル・ゴフやウッチェルロ関連書物はもちろんなんだけど、これ、これ、あれですよアレ!
パノフスキーの『ルネサンスの春』!!!
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4783511926
わたくしめのゼミ必修本でした。はい。この日本語訳が最高と思います。
とまれ、
「例えば、多くの天使たちは向こう側の空間からこちら側にエピファニーのように出現するものでなければならなかったし、礼拝堂の内壁に描かれたジョットの「パドヴァの青」は、たぶん夢のなかでしか見たこともないとも言える「本物の」空を予想させるものでなければならなかった。」
わたし、パドヴァのこの礼拝堂には二回、いってるんですが。でもでも、たった15分くらい(?)しかあの礼拝堂のなかにはいられなくて、初回はまだしも(これはまあ仕方がない)、二度目にも、わーーーーーって、気持ちというよりアタマというか肋骨から上が泡立つ(鳥肌が立つとかそういうんじゃなくて、炭酸になる)みたいで「絵」が見られなくて。
いちおう予習もしてるし、好きな場面があるからそういうのはほんとは落ち着いてじっくり細部まで見たいんだけど、あんまりにもキラキラしてて、なにかにとりまかれるみたいな感じで「アガっちゃ」ってて。
思い出すたびにすごくすごく後悔して、そういうじぶんを残念がったりしたんだけど。あるときふと、わたしはあれを長時間、好きなだけ見ることが許されたスクロヴェーニ家の人間じゃないし、あれはいわゆる美術「鑑賞」のために描かれたわけじゃないんだよな、と五月の晴れた「空」を見上げたら自然にそう思えて。
なんか、すごくほっとしたことがあったなあと。
ルネッサンス芸術を好きなひとにとっては至極当然のことですが。
ジョットはやはり凄いです。ダンテも、凄い。うん。
と、みんな知ってるよそんなのってことを何度でも言う。
西洋美術史のことを語る