教授インタビュー(No.03 宮下規久朗先生)
「海外では文学部は尊重されているんですよ。つまりリベラルアーツあるいはヒューマニズムといいまして、いろんな学問の基礎がある。でも日本の会社のおじさんたちっていうのは芸術とか文学ってのは女子供の道楽だと思っている人が多いんですね。文学部に対する社会の認識が冷たいんですよ。これは文科省の予算の配分を見ても歴然とわかりますし、やはり実学重視なんですね。ところが海外ってのは中世に神学からはじまってますから、実学以前に哲学とかそういうものがあるんですね。それが大きな違いで、文学部が日本で弱いのはそのせいかなと思ってしまうんですけども。アジアは日本と似てますよね。中国なんかは最近実学重視で理系尊重ですけども、そのへんが学問の伝統っていうかね、本来東洋でも儒学があったんですけれども、切り離されて近代まで大学ってできてますから、それで文学部はちょっと旗色が悪いんですよ。海外では文学部の学生が一番威張ってたりするんですね。たとえばハーバードに行っても哲学は学問の長であるとかですね。美術史なんて言うのはローマ大学では100人も先生いるんですよ。神戸大は二人しかいなんですけれども。圧倒的に大きな大勢力なんですね。工学部よりも美術史学のほうが大きいんですよ、というのでまるで環境が違うというのはわかりますね。どちらがいいとはいいませんけれども。
神戸大.comスタッフ「たしかに海外は美術を大事に思ってますよね」
大事だしそれが文化だと思ってるんですよ。道楽や趣味ではなくて文化だと。日本の人で海外に赴任したひとは必ず美術好きになって帰ってくるというか、美術が一般的な教養であるということを植え付けられて帰ってくるんですよ。海外のパーティーなんかに行くとあんまり仕事の生臭い話とかしちゃいけないんです。美術の話が圧倒的に多いらしいんですよ。映画の話か音楽の話か美術の話。海外はどこに行っても自分のところの美術館をほこりにおもっていますから、「うちの美術館どうでした」なんて話になって、いやいやオジサンたちは行くわけです。そのうちにだんだん好きになってきて、帰ってきてから美術のカルチャーセンターに来たり、わたしの授業も15人も聴講生がいるんですよ。全部リタイアした人です。ほとんどが神戸大の経済や経営学部を出て、一回会社に入って海外暮らしをして美術史の知識が必要だと感じて聴講に来ている、そういうわかってくれる人もおおいんですけど、ただ若い人は日本にいる限りなかなかわかんないでしょうね。」
http://www.kobedai.com/interview/kyozyu/no_03_1.html(初めの頁 上は最終頁から)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「勝手に引用」に投げるべきかとおもいながら、西洋美術史の先生のインタビューなのでこちらへ
ローマ大学の美術史の先生100人は、そりゃいるだろうなと納得しながら日本もそれくらいいればいいのに! て悲しくなってしまった
まえにもかいたように、「「西洋美術史」って基本的には「通史」と「見方(読み方)」に終始すると思うんですよ。
「通史」のなかで「時代様式」を感じることができて、さらに個別の「見方(読み方)」を覚えれば、何かを見たときに面白がれるかなって。」
もういちどはっておきますこちら
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/0/008441+.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ケンブリッジ 西洋美術の流れ
■構成 全8冊
古代ギリシアから20世紀にいたる3千年の西洋美術の歩みへ,気鋭の美術史家が大胆に切り込み,コンパクトな全体像を描く.概説とは違うヴィヴィドな説明は,知的興味と創造力をかきたて,おのずと「見る眼」をつくる.
1 ギリシア・ローマの美術 (スーザン・ウッドフォード/青柳 正規,羽田 康一 訳)
品切重版未定
◆ 2 中世の美術 (アニー・シェイヴァー=クランデル/西野 嘉章 訳)
品切重版未定
◆ 3 ルネサンスの美術 (ローザ・マリア・レッツ/鈴木 杜幾子 訳)
品切重版未定
◆ 4 17世紀の美術 (マドレーヌ,ローランド・メインストーン/浦上 雅司 訳)
品切重版未定
◆ 5 18世紀の美術 (スティーヴン・ジョーンズ/高階 秀爾,大野 芳材 訳)
品切重版未定
◆ 6 19世紀の美術 (ドナルド・レノルズ/高階 秀爾,高階 絵里加 訳)
品切重版未定
◆ 7 20世紀の美術 (ローズマリー・ランバート/高階 秀爾 訳)
品切重版未定
◆ 8 絵画の見方 (スーザン・ウッドフォード/高橋 裕子 訳)
品切重版未定
・・・・・・・・・・・・・・・・
この次になにを読めばいいかはどの時代が好きかによるような気がするのでなんともいえばいけど(いやいきなり「見方」に興味を持ちました! てかたがいらっしゃったら「んじゃあイコノロジーにもご興味おありのようですからパノフスキー行きますか生きますか逝きますかそうですかじゃあイっちゃおうね!?」くらいの勢いでおすすめする本は列挙させていただくやもしれませんがw)、もし通史と様式もうちょっと真面目にやりたいってひとは(画家のモノグラフっていうのはすぐ見つかると思うので、はい、これはまあふつうに画家の名前で検索すれはいいだけのはなしだし)、かのアンドレ・マルローがひと使い荒々しくてって文句いわれてたみたいな、でもこれくらい豪華で贅沢な本はないよなあというか、もうこういう本がこの国でうまれることはないんだろうなあという『人類の美術』シリーズ
http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8&keywords=%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AE%E7%BE%8E%E8%A1%93&index=stripbooks&jp-ad-ap=0&hvadid=12531210785&hvpos=1o1&hvexid=&hvnetw=g&hvrand=1468453067410111470&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=e&ref=pd_sl_1w9rmx1a58_e
(なんか途中で違うのもまじっちゃってるけどすいません)
あたりがおすすめかなあ?
大きな図書館とか大学図書館あたりならあるんじゃないかとおもいますので
しかし
マルローはいい仕事してくださってますよ
若いころのペンネームはモーリス・サント・ローズ
イケてるねw