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おすすめのことを語る

わたしは美術史からはいったのでちょー著名なひとでしたが いまの捕え方では、というかシンポジウムの発表者のみなさんはみな「美術史畑」ではないかたですね、その件についても当然言及がありました
そしてそのへんはわたしも弁えていたつもりですが、大学時代を思い出すとなかなかに衝撃的というか、ヴァールブルクはたんなる美術史家ではない、くらいの雰囲気だったようにもおもえます(田中氏のついーとにもいつだったか、そういう意味合いのことはあったかと記憶しています)し、じっさいわたしもそう考えています
このへんは、アナール学派の心性史の領域のはなしもでていましたし、パース(わたしは未読ですが何故あなたが読んでないんだ読みなさい的なことをSIMPLE-TON氏以外にも言われまくり叱られまくりのパースですね)の名前も出ていたかと(たぶん) 
伊藤先生は、たいへんスリリングな論を展開されていましたよ! でもあの危うさがヴァールブルクらしいと感じました、というか、ヴァールブルクってチョーあやしいよねw でもだから面白いし超絶魅力的とおもいます(ちなみに、発表の最後を飾るのはなんと! カルヴィーノ様でしたことよ、これを書くだけでなんとなくご想像できましょう!)
それから、人文学(人文科学というべきなのかどうか? 人文科学って言ってたかな、忘れた)と自然科学の関係(相克だか葛藤だか劣位だかなんだか?)みたいなはなしもでていました
あと興味深かったのは、ヴァールブルク再評価の要因のひとつには「文体の魅力」がある、というあたりで、あの時代というのはご承知の通りたいそうオモシロイ小説が生まれたときでして、もちろんプルースト、ジョイス、カフカ、ウルフ等を読んでいたのかどうかとか当然わたし的には気になるわけです
それに関連して、パスカル・キニャールというひとはヴァールブルクの著作を知っているのかどうか
わたし個人の興味にしかすぎませんが、ドイツフランスの連続性(ておい、おおきなこと言ったな、て感じですが、たんにキニャールの生まれについて言っているくらいにお受け止めください、もちろん思想的なことを言いたいのですが無知すぎるので小さく言う、いやでも思想史のひとこそがこのへんちゃんとやってほしい早くキニャール読んでください)、そして文献学者を輩出した母親をもつキニャールがいっぽうで民話俗謡の蒐集家であり云々あたりのこと(つまりニーチェの子であるヴァールブルクとの相似だか関連だか)、さらには音楽家であるキニャールは「美術」への関心をどこへどう振り向けているか(作品には画家が主役のモノもあるが今のところわたしが読むかぎりでは美術史家の名前を見出していないあたり)とか、来年キニャールシンポジウムのようなものがあるらしいので、どうにかして潜り込めないかと考えています
次回のシンポジウムには高橋啓氏か、またはドイツ語方面だと西成彦氏とかどなたがいいのかわたしには判断がつきませんが(英仏独ができる翻訳者のかたってどなたなのだろう?)、つまりともかく文学者や小説家の参加を要請すべきではないかとおもったり(高山氏や荒俣氏の名前は連呼されてました)、あと歴史学者? イメージの歴史なわけですから(ディディ=ユベルマンの仕事なのでしょうがいまだと、日本、日本では誰なの? あそこにいる方々以外で誰なの?)
よくわかりませんが、なんかやっぱりわたしはキニャールを招聘してほしいなあ(をいw)
いずれにせよ、
どうやら今年中だったかに二度目のシンポジウムを予定しているようなので、そのときは「仕事蹴飛ばせ」ですねv