今日は、帝都とエリゼ公国の格差みたいなものを象徴するのが、この、ルネの母親であるあたりをちらりと
公爵家の姫君たるエリスの教育係に任ぜられたのは、帝都出身の名門貴族の生まれであるからです
字の読み書きや簡単な計算くらいできるのはあたりまえ、古代の詩なんかも諳んじる、はたまたじぶんでもちょっとした詩くらい書けます、その他に刺繍みたいな女仕事もしっかりできて、踊りもおどれます、というのを「貴婦人」といいます
ルネサンス期のちょっとしたフィレンツェ商人は娘にギリシャ語ならわせるという恐ろしい記録(事実だ!)が残っているので、自分の名前が書ければ十分といったフランス貴族たちだっている時代、この格差たるや!
女子教育うんぬんというより、それだけメディチ家サークルが高踏的だった、という証でありましょうが、おんなのこに教育の機会が与えらてそれがたいそう立派な「嫁入り道具」になるのはなかなかいい時代だと単純におもいます
このおはなしも、そういうルネサンス時代の気風を感じられるように描いています
どうぞお楽しみを☆
『歓びの野は死の色す』つれづれのことを語る