金曜日ですよ金曜日!
さて今日は、やっぱりこれ、かなああ?
>喧騒が遠ざかると、自分の勘があたったことで、今度はべつの不安がもたげてきた。何故なら彼がその女性を送り届けたのは、あろうことか《死の女神》を奉る古神殿の裏手だったからだ。
古神殿の裏――それは、堕胎する女性が訪れる場所だった。
死の女神の神殿には同時にまた、捨て子を受け入れるための場所があります
>オルフェ七世を含めた四人が宰相の次の間から地底におりきったころ、ふたりの人物が古神殿に到着した。ひとりは純白の式服に泥はねがつかないか気にしながら門前へと足早にすすみ、もうひとりは一張羅の三つ揃えが濡れることを厭うたが、それにもかかわらずゆっくりと、まるで水の上をわたる風のような足取りで聖域を歩いた。ふたりは古神殿の表門でなく裏手、かつて捨て子を受け入れるためにおかれた目隠しのある扉と嬰児の受け皿がわりの張り出し窓を横目にしながら、修道院の白亜の回廊をめざし、屋根のあるそこへと辿りついた。
わたし自身がヨーロッパに訪れた際の印象のうち幾つかが、
「聖遺物」の置き所であるところの聖堂、そして「聖母子像」、生まれたきたものと生んだものを讃えるためのそこ、ていうのがありまして、もちろん聖堂それ自体が聖なるエルサレムの象徴、また身体論で語られるものでもあるんですけど(聖書、歳時記、迷路とか色々ありますけどねえ ていうか洗礼についてとか語りだすためには実はキリスト教の知識だけじゃなくて、工学、建築のほうのそれがなきゃダメで、)
その前の嬰児虐殺(フランスでいうと、サンジノサン)もからめて、なんていうか、うまく言語化できないけど、ともかく「衝撃」だったんですよね
まして、フィレンツェにはほんとうに麗しい「捨て子養育院」http://en.wikipedia.org/wiki/Ospedale_degli_Innocenti がある
ここの建物と美術館は素晴らしいので是非おとずれてみてください
じっさい、それについて詳しく知ったのはこちら、です
http://h.hatena.ne.jp/florentine/299908716106483865
「高橋友子『路地裏のルネサンス―花の都のしたたかな庶民たち』 (中公新書)
同上『捨児たちのルネッサンス―15世紀イタリアの捨児養育院と都市・農村』(名古屋大学出版局)」
お亡くなりになられてたのがショックでショックで・・・ううう
こっそりいうと、このおはなしの世界に大々的な「魔女狩り」は出てこないんですよ
なかった、ていうんじゃないんだけど
死の女神の権威が落ちないから、そしてそれが盛んになる時代になんのかんのと男性葬祭長のアレクサンドル一世が立つ、しかも、とんでもなく(勘違い)フェミニストの! という構図があって、まあ、そういうことはまた本文では詳細綿密には書かないんだけどw
魔女狩りについては資料よむの大変で、扱い兼ねた、ていうのもないわけではないんですが(←正直者め!w わたしはちゃんと、デュビーの『女の歴史』http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=index&cPath=102_117翻訳されたんだからよまんといかんのですがw(大学のとき、原文講読じゃなくてこれの講義があって、その当時から読みたいとおもってたの)、
このおはなしは、異教が「残存」したり吸収統合されたりしたのではなく、そちらが「普遍」「正統」というような観念(でいいかな?)をもつだけの勢力をもち(太陽神殿のこと)、本来はそれを標榜する宗教のかわりに「至高」を名乗らせたソレが共に在る土地というものがあったら、ていう「読み替え」でもあるので
もっと勉強しないといけないよなーって思いながら、まあしょうがないまあしょうがないとやりすごす自分の怠惰にときどきウンザリするんですが(なので広義のSF、異世界ファンタジーてかいたほうが通りがいいからそっちでいうけど、あくまで、すぺきゅれいてぃヴふぃくしょんでありたい)
いまできるのはこのレベル
「歴史」とか「時代」かけるような作家になりたいっす><