おもたそな月が転げ落ちる坂道で地団太を踏み電話きる
うちは高台にある。
帰りはけっこうな坂道をのぼらないとならない。
たいていは月が、ほとんどこちらへ迫りくるほどに大きな顔で出迎えていてくれる。
先日は雨が降っているなか月が出ていた。
行き違いというのでも辞書が違うというのでもなく、
噛み合わない会話をし続けないとならないことがある。
わたしの人生の多くの時間はそれにばかり費やされてきたような気がする。
とはいえ、
この世の一体だれが、そうではなくて生きているのかがうまく想像できない。
面白くもなんともない安月給の仕事でも、シゴトは言葉が通じやすいので有り難くもアル。