ジャック・カロ―リアリズムと奇想の劇場展
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013callot.html
なんかこー、ムチャクチャ鋭利鋭敏な才人だろうっておもった。あやかりたいw
カタログを、あとで、買わねば。
17世紀、ロレーヌ公国のひと、この時代くらいまではほんとにナントカ公国とかいう土地のひとたちがけっこう歴史の表舞台で活躍してるのだけど(クロード・ロランもジョルジュ・ラ・トゥールもロレーヌのひと)、その後すぐにフランス王国に統一、つまり征服されていくのだよなあ、と。パリ一極集中前の時代、そしてむろん、芸術の都はまだまだローマやフィレンツェであったときのこと。
企画展示や版画展のときにカロが出ると知るとかかさず見にいっていたくらい前から好きだったので堪能しました。絵、うまいなー。今回はじめて知ったのだけど、版画しかしないひとらしく、ある意味では線に偏りすぎた表現、という言い方が正しいかどうかわからないんだけど、「線でやれることやります」と言われた気がするw 絵画的表現てよくいわれるような、なだらかなニュアンス的な感性がナイみたいな。色そのものが見えてこなかったし、空気感とかはどーでもいいと思ってる、という感じ。でも臨場感はある。写生としてのリアリズムの徹底。だけど、雰囲気とかいう曖昧さはない、みたいな。線の鋭利さを引き出す。ものすごくクリアにカタチに集中してるのがとてもキモチイイ。
とはいえ、レンブラントはやっぱりその点、ちがうんだなあ、ということなども。いや、レンブラントはカロのコレクターなので後から来た、さらなる超絶天才! なので、こういう言い方はおかしいのだが。
あと、技法の革新でやれることが増えるんだね、ていうこととか当たり前のことだけど目で見ると凄い。
あと、こんかいかなりの量を見て、《戦争の惨禍》他、アイロニカルな視線というより、もっとずっと率直な好奇のそれだなあ、と。時代の要請にこたえる、というのもあるし、とりあえず描いとけ的な写生の面白みのほうが強かったようにおもう。ゴヤ的なものではない。紋章官の家系と知って謎が解けたというか、戦争の地図の絵等もあって、あ、そうか、紋章官の家にとってはそれ「存在理由で、商売だ!」て思いました。今まで感じてた「違和感」の正体がハッキリした。
いつか、チャンスがあればこのひと自身やらそのまわりやらは書いてみたい。