テツオ・ナジタ『相互扶助の経済』
無尽講・報徳の民衆思想史 五十嵐暁郎監訳 福井昌子訳
「講」や「報徳」について、現代の私たちは意外に知らないかもしれない。それは当然だと、テツオ・ナジタは次のように説明する。
――徳川時代、慢性的な飢饉と過酷な税制のもとで、民衆はたがいに助け合うしかなく、急な出費(借金の返済、病気、葬式…)に備え、村内・地域内で集団的な積立貯金ともいえる「講」をつくったり参加したりした。まさに、彼らのセーフティ・ネットだった。
――しかし「講」とその発展形態ともいえる「報徳」は、公的・体系的な政治秩序の外側で形成された「民衆経済」だったから、何世紀にもわたって一般に注目されず、日本の歴史においても、基本的には語られてこなかったのだ。
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