id:florentine
『歓びの野は死の色す』つれづれのことを語る

ロマン主義文学と絵画
19世紀フランス「文学的画家」たちの挑戦
村田京子著
http://www.shinhyoron.co.jp/978-4-7948-0998-8.html
「フランス文学と芸術の関わりは深く、画家や音楽家、彫刻家を主人公とする芸術家小説をはじめとして、美術や音楽に関連する作品が数多く見出せる。本書はそうした作品を題材に、絵画がフランス・ロマン主義文学の中でどのように扱われているのかを、ジェンダーの視点を加味しつつ探るものである。例えば「近代小説の祖」と呼ばれるバルザックは、作品中で女性を描写する際に、しばしばラファエロの聖母像などの絵画を引き合いに出している。
人物描写において絵画の比喩が用いられるようになったのは、バルザックの生きた時代、すなわち19世紀前半からのことである。その背景として、①大革命後にルーヴル美術館が一般開放されたこと、②複製画やリトグラフ(石版画)が普及したこと、③経済的に余裕のできたプチ・ブルジョワが、文化的教養を求めてサロン(展覧会)に通うようになったこと、などが挙げられる。この時代、大衆にとって絵画がより身近な存在となり、その結果、登場人物のイメージを喚起させるために小説内で絵画を比喩として使うことが可能になったわけである。」

逆にいうと、21世紀はこれがもう通用しない時代なのではないか、と。
いちおこれも。読もうと思ってたので。

女がペンを執る時
19世紀フランス・女性職業作家の誕生
http://www.shinhyoron.co.jp/978-4-7948-0864-6.html

一冊、あ、これ、て思うと、その後もやはりそういう研究をそのひとがしてらっしゃるのだよねw 当たり前だけど、しみじみと、ああ、ておもう。