結局、幾ばくかの金を出すことと人様の作ってくれたものを受信することしかしなかった一年だったと思う。
直後には何やら沈んでいた気もするが、わずか半月ほどで地震にも原発にも言及しない一日が出現し、僕はあっさりと日常に浸ったと言える。
姪っ子に耽溺し適当に仕事をこなしオフりつまらない冗談を言いボランティアに参加することもなく、今日もサッカーを楽しみ飲み食いし、「ちょうど後半の途中なんだよな」と思うだけで「その時間に何かすることも思い付かなかった」、音楽家達が思いを込めた表現を受け取りまた幾ばくかの金を出して来ただけで今帰路にある。
放射能に怯えることもなく、地震にはむしろ鈍感になった。
確かどこかでかっこ良さげなことをほざいた記憶があるが、僕は今、無様に日常の中にいる。
行おう、日常の幾ばくかを削って。それしかない。