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小さな幸せのことを語る

始発駅、折り返しの電車で腰掛けてると荷物を引いたおっさんが、遅れて同じく荷物を持ったおばさんが乗ってくる。
席の空きは僕の隣と、筋向かいに一つずつだけ。
二人とも座れたけれど、おじさんはおばさんの方をチラチラと見てる。
僕とおばさんをスッスと指さしながらおじさんに「替わりましょうか?」と声掛ける。
「あ、ありがとうございます。」との声を聞いて腰を浮かしおばさんと入れ替わりながら「igotit」小さく喉の奥でつぶやく。