寒がって綿毛布の山に突っ込もうとするから、衣裳ケースの奥からセーターを出してみた。ラベルを見ると麻と綿で毛じゃないけど。着せようとしたら電気羊がぼろぼろ涙をこぼし始めて、鳴き声を何度訳しても、「もうおおかみになっちゃいけないんだ」と出力されてしまうし。でも
電気羊はとっくにおおかみで、自分の吐き出したトマトに埋もれて眠ってしまった。すごく沢山のトマトだから湯むきしなくちゃと氷を出そうとしたら、冷蔵庫は蜃気楼だった。足下は涙でちゃぷちゃぷだし。
電気羊かってなかった。電気羊にかってになったんだった。
うちの電気羊が…のことを語る