子どもの頃から大食いだった。食事中にはいつも水を飲んだ。食べきれない量に挑戦するときは何杯も飲んだ。
流しこむわけではなくて、苦しいなと思うときに水を飲むとお腹が落ち着くのだった。
あのころは人並みに甘いものも食べられた。事実あの日彼女は食後にチーズケーキを出して、わたしはそれを完食した。
「あれだけ食べて、よく入るわね」と驚かれた。
ダイエットマニアの彼女はどこまで砂糖を減らせるか限界ギリギリまでレシピを研究したと言っていた。
食事中の水は消化に良くない云々も体験によるのではなく、本の中の話だった。
わたしの体質はふつうじゃない。わたしはものすごく食べて、ものすごく飲んで、痩せていた。
食事中に水を飲まなくなってからものすごく食べられなくなって、食事の量が足りなくてさらに痩せた。
わたしにはふつうの食事がトルコアイスや二郎並に濃厚なんじゃないの?
試しに大盛りの生クリームパスタとバターたっぷりの粉ふきいもと豆腐のサラダを作って、
食事中水を飲みながら食べてみた。お腹が苦しくない。水を飲むとどんどん食べられる。
食事中に水を飲んでいた子どもの頃のように食事が楽だった。完食した。