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人生がときめく片付けの魔法のことを語る

モノが活躍の場を持ててよかった。これまで雇っておきながら労働環境が劣悪で活躍の場がなかったみなさんがそれぞれわたしのそばで、また遠いどこかで誰かの力になっていく。

差し上げた着物は祖母の手縫いで、この着物には着物を着始めたときうんと世話になった。数え切れない思い出があったけれど、ほどいて思い出品になるより「まだ現役で着られますよ、あたし」という感じだったのでお別れした。端布になるまで着物として人を魅力的に包み込んでくれる力量のある方だった。

絵本はほんとうにぼろぼろで、手にとって読まれるようになったらきっともう何年も持たない。それでもわたしの手元に戻らない子ども時代の象徴としてあるよりも、紙に戻るまでどこかで子どもを楽しませていたいと思っておられるような元気さがある方々だった。

現役をすぎたプロ野球選手が、窓際に座っているより草野球チームの監督でも現場に関わっていたいと思うように、モノにもまだまだ現役で活躍したいと思うモノ、転職望むところだという勇敢な力があるモノがあるような気がする。そういうみなさんを縛り付けていることで自分もモノも窮屈だった。みなさんこれまでありがとう、わたしもがんばりますと思った。