もちおが仕事先に皮製品のお土産を買いたいと言い出し、HNきれいちゃんと三人で店を探す。
HNきれいちゃんが道々尋ねて店を探してくれたんだけど、着いたところは合皮製品の店だった。
合皮でしかもパチもん専門店が軒を連ねている。中国製も多い。これじゃあなあ。
どうしようかと話しながら引き返していたらUK走り屋親子とばったり会った。
「あっれー!」
「ひさしぶりー!」
「その真珠、ハロン湾で?」
「俺のホテルはこのすぐ近くだよ」
とひとしきり再会を喜んでから事情を話してみた。
「ああ、あの辺の店は質が悪い」
「皮製品の店を知ってる?」
「そこ。でも高い」
UK走り屋は背後の巨大な建物を親指で指した。
オペラハウスか博物館のような造りで、壁にでっかくブランド品の広告が出ている。
「安いのは悪い、良いのは高い」
UK走り屋は肩をすくめて見せた。
「高いのか。残念。でも一応行ってみよう」
ということになって三人でその建物に入ってみた。
外観からは予想もつかない安物のたたき売りとシャッター街の見事なパッチワークが形成されていた。
そして皮製品の店は一件もなかった。ちなみにUK走り屋のホテルはその近所ではない。
ヘイ、走り屋。おまえ、ここ入ったことないんだろ。と思った。