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料理は愛情のことを語る

わたしは酢を使った料理がすき。
食欲が落ちているとき、肉や油もの、炭水化物多めの料理も酢を使った料理があればたくさん入る。
一人暮らしの時は自分でピクルスを作ったりしてよく食べていた。

でも夫は「酢の臭い=腐敗」という刷り込みがあって、酢を使った料理が大嫌い。
あれこれ工夫しても料理に酢を使うと必ず嫌な顔をしてぶーぶーいう。
自分が食べなくも食卓にあるだけでぶーぶーいう。
きび酢すらダメ。耐えられるのはポン酢程度で、餃子の酢醤油くらいでもぶーぶーいう。
酢の瓶を開けて真顔で「これ腐ってない?」と言い出すレベル。
おかげで酢が減らない。わたしの食欲も増えない。もちおのコレステロール値だけが年々増える。

先日一計を案じて黒酢を小鍋で煮て、大量の蜂蜜を入れ、蜂蜜黒酢を作った。
「フランスでは酢に必ず火を通す」と語るコックをwebで見つけ、そこにかけてみたのだった。
それに醤油を足して椎茸の軸を煮て佃煮を作り、しみ出した煮汁で鶏モモを煮て出した。
「おいしいね!」
「それ、お酢入ってるんだよ」
「知ってる。さわやかでおいしいね」←酢の物がんばって食べてえらいでしょ風。
「なんで大丈夫かわかる?」
「黒酢は大丈夫なんだよ。米酢がダメなの。大戸屋で「鶏と野菜の黒酢餡」食べてるでしょ」←笑顔
「煮詰めて蜂蜜がどっさり入ってるからだよ!黒酢だってこれまでぜんぜんダメだったでしょ!」
「え、そうだっけ?」

どこの世界でも地道な観察による地味な努力と改善は、利用者になかなか気づいてもらえないものです。