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オカルト部のことを語る

土砂降りのなか、新しい傘をさして家に急いでいた。
買い物が入った紙袋が濡れないように考えながらずんずん歩いていた。
ふと見ると歩道に不機嫌そうな、十代くらいに見える女の子がいた。
ふとましいお嬢さんで、ミニスカートからむき出しになった脚が生々しい。
わたしが気づく前からこちらを凝視していたようで目が合った。
目が座っている。距離が近い。なんか怖い。
怖いと思った直後、ゆらっとこちらへ近づいてきた。ぞっとした。
あれなんか怖い。繋がれてない犬みたいに怖い。なんで?

そこで彼女が傘をさしていないことに気付いた。
びしょ濡れで、夜の団地の歩道をゆらっと歩いてこちらに近づいてくる。
いつもだったら傘に入るようすすめたり、家を尋ねたりするところだ。
でも反射的に、すれ違いざま避けて逃げた。
しばらく歩いて100メートルほど離れてから振り返ってみた。
また目が合った。こちらに向かって歩いてくる。

あの子、本当は生きてないんじゃないの。
他の人には見えてなくて、だからわたしと目が合ってロックオンされたんじゃないの。
振り返って様子を見たいと思ったが、肩越しに顔があったら怖いと思って我慢した。
信号二つ歩いてから振り返ったら、歩道はまっくらで何も見えなかった。