舅が贔屓にしている寿司屋に接待も兼ねて連れて行ってもらったもちおの話。
「店には俺とお義父さんとお客さんしかいないのに、俺たちの後ろを何度も誰か通ってた。
店の人かなと思って振り返ると誰もいない。とても小さな人だった。
大人の腰くらいまでしかない女の人。なぜか手ぬぐいを交換している気がしていた。」
「わたし、あの店でそういうの感じたことないけど」
「俺もない。あのお客さんについてきたのかもしれない」
「でもまがく(禍々しく)ないよね?」
「うん、まがくはなかった」
話を聞くとお互いなんとなく禍々しい何かなのか、清々しい何かか伝わってくる。