霊能者祖母百歳にハノイでの経験を話した。
「ハノイではホーチミン廟を見てなぜか突然悲しくなって涙が出て。翌朝ホテルで目が覚めてからホーチミンのことを何も知らないのに懐かしくて悲しくて、目を閉じると自分の手が見たことのない少女の手になっているのが見えたんです。そしてあるはずのないベトナムの暮らしや戦争の思い出が甦って、大声で長い間泣いてしまったんです」
「ホーチミンと深い因縁があるのね…家族ですか…家族ではありません…友人ですか…恋人…恋人ですって出てるわ」
「でもわたしは貧しく若い少女のようでした」
「この地球上のどこですか…ベトナム…日本……イタリアですって」
イタリアでホーチミンと恋人だったことがある説に困惑を隠しきれない。