ディスカバリーチャンネルで悪霊に取り憑かれた家の話がやっていた。
勝手にスイッチが入る電子レンジ。いつの間にか開いている窓。キッチンの窓ガラスに映った人影に怯える妻、クローゼットから現れた不気味な影に悲鳴をあげる娘たち。
最後まで半信半疑だった夫は深夜の寝室で何者かに足首を掴まれ、枕元の銃を手に大声で警告しベッドマットをひっくり返すが何もいない。
「この旦那さん小心者だね。足首掴まれただけでこんなに狼狽して」
「そうだな」
「もちおだったらこんなに騒がないよね」
「俺はあれ?って思ってまた寝るな」
もちおは怪奇現象もさることながら、新婚時代に借りた部屋では数ヵ月で3度非常ベルが鳴ったが、一度も目を覚まさず避難もしなかった。
しかし妻が寝室から出ていくと確実に起きてガミガミいう。