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くたびれ はてこのことを語る

昭和の終わりに出された秋山さと子のユング本を読み返している。覚悟して開いたが強烈な昭和節。
女性は感情型、男性は思考型、女性の思考は未熟で男性は耐えられない、男性はそもそも感情とは何かわからないが、女性は生まれつきそれがわかっている、などなど。聡明で感情豊かな男性が「性倒錯に走った」としてゲイバで働いた例や、内向的思考型の女性の母親が「せっかく女性に生まれたのだから」と娘を外に連れ出そうと働きかけ続けた結果、ぶっきらぼうにプレゼントをくれた例を「こうしてまた内にこもってしまったのである」と紹介していたり、完全に「例外は異常」という結論ありきな話になっている。自身が女性でありながら女性に論理的展開は無理だと書く著者は自分をどう思っていたのだろう。しかし戦前生まれの著者は自説が男尊女卑思想に基づいたものではないと、本気で信じていたのだろうな。
秋山さと子のユング本を当時続けて読んだけど、この本のくだりで辟易として止めたんだった、と後から思い出した。