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くたびれ はてこのことを語る

母はわたしが料理嫌いで、料理かけていた下手だと思っている。
そして妹のことを料理好きの料理上手だと思っている。
妹は料理好きではないし、わたしは料理嫌いではない。
これには昭和のステロタイプな女性像が関係している。

まず、料理をするのは女らしいことだという考え方がある。女らしさとは大人しさや従順さのことであり、言われたことを素直に聞き、言われなくても察することである。質問するのは生意気なこと、意見をいうのは反抗心の現れである。よってわたしは「女らしくない」「男っぽい」娘だと言われていた。

女が料理をするのは誰かを大事に思うから。料理をしないのは思いやりややさしさが欠けていてがさつだから。
男っぽい娘は家事や料理をせず、嫁の貰い手に困る。当時はそれが日の上る方角が決まっているのと同じように信じられていた。

わたしは手芸が好きで、母の手伝いが好きで、子供が好きで下の面倒をよく見た。しかし男友達と乱暴な遊びをして、弟と取っ組み合いの喧嘩をして、教師と言い合いもした。そして後者の方が目立って見えた。

大人になってからも料理をしないだろうと思われることがよくあった。
女は好きな男が出来ると大人しくなって、自分の意見をいうのを控えるようになると思われていたからだ。女らしさと家事能力は分かちがたく結びついていた。家事をすると男は女性化する、つまり自己主張が出来ず、意気地がなくなるとまで思われていた。