役所から介護認定をする方が来られた。
「入院中に介護認定をしてもらった方がいい」
と病院で言われたが、退院を強く推したので退院後になった。
入院中は寄ると触ると車椅子移動で、ベッドの足下には尿瓶があり、着替えはナースコールが必要だった。
入浴は週に一、二度、浴室が空いていて体調のいいときだけ。
あとは濡れタオルで拭いてもらう。
夜は眠れず、することもなく、妻の面会を待つことだけが楽しみという日々だった。
自宅では自分で歩いてトイレを使い、着替えて入浴し、階段を昇り降りしている。
洗濯機を回したり、洗濯物を畳んだりもできる。短い距離なら運転もできる。
欲しいものはネットで検索し、通販で注文して買う。
病院からは電動ベッドと車椅子利用を勧められたが自宅では使う理由もない。
無印のビーズクッション(通称:人をダメにする椅子)をベッドに置いて身体を支え、具合よく寝ている。
栄養剤の点滴も自分で取り換えられるし、点滴バッグは旅行用のキャリーケースに入れてどこでも転がしていく。
そうありのままを伝えた。
「自分らしく過ごせるよう支援の選択肢を増やすお手伝いをしたい」
と支援センターの連絡先を紹介してもらう。
これでいい。退院してよかった。