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連続はてな小説のことを語る

もしかしたら自分は、コラトラ峠にも向かっておらず、雪女も追ってはおらず、いつのまにか只くるくると螺旋を描いて上へ上へと登っているのではないだろうか?あの甘口いちごスパを飾る生クリームのように…。

透き通った鈴の音に妄想は断ち切られた。冷や汗に濡れた首を拭って顔を上げると、焼き印も読み取れぬほどに使い込まれた木杖が縁台に立てかけられていた。