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展覧会のことを語る

「桜・さくら・SAKURA 2012 ー 美術館でお花見!」山種美術館
印象に残った作品
・「朧春」稗田一穂
 花一枝だけでも一つの作品になりそうな桜の存在感に目を引きつけられました。湖面に映る月は柔らかく歪んで、月そのものが浮かんでいるような。手前のギザギザが、実はここは湖でもないと言っているような。妖しくて、何か騙されているような。
・「さくら」川端龍子
 桜なのに幹が画面のほとんどを占めています。花は幹の向こう側に本の少し顔をのぞかせるだけです。なのに、その幹の色合いの温かさや、柔らかい描き方に桜、春を感じます。
・「千鳥ヶ淵」石田武
 碧色の水面と満開の桜の枝だけの絵なのですが、とても美しかったです。桜の向こうに幾筋か光が射しているように見えて、もしかしたら夜なのかなぁなど想像が広がりました。「吉野」という作品も、ずーっと向こうまで山が続いているような、何か遠ーくを感じる作品でした。
・「奥入瀬(春)」奥田元宋
 流れの向こうの木々の輪郭や背景に金色が使ってあって(たぶん、金色に見えたから)、それが森に満ちる生命力のように感じられました。東北で公開したらいいのに…と思いました。個人蔵と知って吃驚仰天。こんなの普段はどこに置いておくんだよー!

GWのおかげさまでしょうか。空いていました。見に行ってよかった!