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平清盛のことを語る

清盛本人も幸せになっていないですよねぇ。
他の人が何か一つのことを信じていられるのに、清盛はいつも二つに引き裂かれているように見えます。兎丸の死に際して、また経を書いている時の表情に、自分が自分でないような苦痛を感じます。最初の「二人の父」がこんなに根深く話の(清盛の)底にあるとは思いませんでした。

ただ私は、今回の兎丸の無念も人柱の代わりの経も禿の末路も、悲惨だ、ヒドすぎる、だけとは感じませんでした。なんていうかー…。絡み合った縁も、それが解れていく様も、そこにちゃんと人間の主体があるように描かれていると思うから…かなぁ?