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八重の桜のことを語る

あと、うらのところにミネが「彼岸獅子が来た!」って走ってくるシーン。あれは日常でしょう。籠城という非常事態の中で、あの母と子のシーンは日常風景だったと思うんです。戦争は非常事態だけど、戦争の最中にお城に子供を連れて上がること、そこで仕事をすることは異常ではないんですね。
「城を枕に討ち死にだ」とか、「足手まといにならないよう、誇りをかけて自刃する」には、どこかしら決断があるように思うけど、子供連れで籠城するという姿には、生活の、日常のその先に歩いて行った結果のように見えました。決断はもちろんあったのだろうけど…。
戦争っていうのは、こんなふうに大義だとか威信だとかからは遠い人の日常にもさらっと入り込んでくるものなんだなと思いました。

それと、この時点で誇りより、命を取りなさいというのは、個人主義のすゝめだよねぇ。八重さんはこの後、個人主義を学んでいくんだろうなぁって思うけど、ものすごい発想の飛躍を強いることだと思うんですよねぇ。
この当時の人たちは戦闘だけではない、激しく厳しい経験をすることになったんだなぁと思いました。