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八重の桜のことを語る

大河ドラマなので史実と異なっていないかとか、史実をどう解釈したかも重要とは思いますが、それでもこれはドラマであると考えた場合、とてもいいフィクションだったと思います。

明治の世のじわりじわりと影が差す様子の描き方は、フィクションならではだと思います。国を焼いて手にしたはずの“正しい”国家が道を踏み外して行く様子。大きな力を手にしたマスコミが国家を求めて国民を忘れる姿。戦を知る人と知らない人の断絶。そこで、「それは間違っているから、こうしろ。」と言わない八重の姿に、銃を捨てた八重の覚悟を見たように思います。

そういう風に時代を描きながらも、一人の女性の人生として完結しているところがとてもよかったです。戊辰の後の人生は長かったろうなぁ、ジョーを失ってからの時は言うまでもなかったろうなぁと思いながら、その後の人生を生き抜いた姿と、過去の自分を振り返って、きっぱりと「今、私は、こうする。(こう生きる)」と言える生き様が美しいなぁと。

いずれにしてもタイムリーなお話だったと思います。