つづきを書くのを忘れていました。
ロンドンっこの僕は、空を飛べる人探しに夢中で、これはと思った若い青年の後をつけて、尾行記録を作ることにした。煉瓦作りの古い建物の狭い通路やら何やらをこそこそ這い回っていたが、ついに青年の仲間に見つかってしまう。青年たちには何か秘密があるらしい。僕は「怪しまれていることに気がついていません」という顔で、すっかり安心した風で狸寝入りをするが、あの記録が見つかっては大変だ。こっそりメモを書き直して、自分の想像した大冒険譚に仕立てたところ、それを読んだ仲間は僕のことを「この年頃にありがちな空想と現実がごっちゃになった子供」だと判断したらしい。僕は無罪放免となったが、青年は仲間に見えないように僕ににやっと笑ってみせた。
おしまい。
時間が経って、なんだかずいぶん忘れちゃいました。青年と仲間の正体とか、尾行中のあれこれとか、無理矢理描いた冒険譚の中身とか…。