知らない街に母といました。駅前にはバスターミナルと商店街。駅周辺から伸びる線路の両脇の細い緩やかな坂道に飲食店が立ち並ぶような街でした。お昼ごはんは何を食べようかと、つらつら歩いてお店を探しました。お店を眺めてうねる坂道を歩いていると、学生相手なのか派手な色合いの看板の定食屋兼居酒屋が並んでいました。2階はまた違うお店が大きな看板を出しています。だんだんと住宅地に入ると、知る人ぞ知るげなお洒落な外観の一軒家レストランがありました。
母に気に入ったお店を聞いても、これという決め手がないようで、悩むばかりです。本屋さんでこの辺りのガイド本を立ち読みしようかと、駅前に戻ろうと提案しても、なんだか歯切れの悪い返事しか戻ってきません。
つづく