兵十は己の過ちを悔い、ごんを厚く弔いました。ごんを荼毘にふしていると、ふいに炎が揺らめき、中から大きな影が現れました。兵十は自分の目を疑いました。そこには全身が炎に包まれた、それは美しい鳥の姿があったからです。
「ごん。」兵十の言葉に鳥は兵十の方へ顔を向けましたが、その瞳には兵十の姿は映っていないようでした。鳥は大きく羽ばたくと、天へ昇っていきました。
舞い上がった火の粉は兵十の村を焼き尽くしました。たった一人生き残った兵十もひどい火傷を追い、すっかり容貌が変わってしまいました。
全ての村人の亡がらを弔ったあと、兵十がどこへ行ったのか、誰も知りません。
火の鳥〜ごんぎつね編〜