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展覧会のことを語る

『蔡國強展:帰去来』@横浜美術館
・とてもよかったです。作品に圧倒されて動悸が止りませんでした。ちょっと涙ぐんでしまいました。作品数は多くはありませんが、十分満足、と同時に、もっと他の作品も観たい!と思いました。
・春夏秋冬を花で描いた作品は、磁器製のレリーフに火薬の爆破で陰翳をもたらしたものなのですが、磁器の繊細な美しさと爆発に耐える強さに感動しました。春に一番力を感じました。溢れる生命力と爆発っていうのが響きあうのかなぁ。
・「壁撞き」は99体のオオカミ(剥製ではありません)が、拒まれても拒まれても乗り越えようと透明の壁に挑む姿のインスタレーションです。オオカミが一頭一頭違っていて、それぞれに想いが感じられて、つい感情移入してしまいました。それぞれの姿の力強さと愛らしさと、全体の大きな動きとに立つ場所を変えて見入ってしまいました。オオカミを設置している糸の描く線や、その変化までも作品になっているようでした。
・入場してすぐに、大人だけ案内される展示室があります。中学生以下は大人が同伴していないと入れません。こちらも春夏秋冬の連作です。春を観た時は「これで、ダメなのか?」と思いましたが、夏は「いや、これはダメだろ」ってかんじでした。けれど、インタビュー映像にはこの絵が使ってあって…。まぁ、いいのか、なんなのか。

・同じチケットで鑑賞できるコレクション展(戦後70年記念特別展示 戦争と美術/岡倉天心と日本美術院の作家たち/ポール・ジャクレーと新版画 )もとてもよかったです。と言っても、疲れ果てていたので、流して観てしまいましたが…。戦前戦後の芸術に焦点を当てたもので、見ごたえがありました。「帰去来」にもう一度行きたいので、その時には余力を残して、こちらもしっかり観たいです。
・戦後70年記念特別展示 戦争と美術、宮崎進さんの作品が特に印象深かったです。すごくご高齢になってからの作品でしたが、想いに満ちているというか…。
・ポール・ジャクレーと新版画、特におもしろかったです。

11月までなので、ぜひお運びください。涼しいですし。
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20150711-449.html