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連続はてな小説のことを語る

初期化されたのは、作者だった

足元に温かな重みを感じて目をやると、愛おしい毛玉が丸まっている
キーボードの上の冷えきった指で背中を撫でると、胡桃を転がすような音が聴こえてきた
抱え上げて膝に乗せる
仰向けの白い腹毛に顔を埋めると、くすぐったそうに身をよじって、毛玉は小さくあくびをした
ずっと会えないでいたような、だけど、いつも一緒にいたような不思議な気持ちだ
私は猫缶を取りに台所に立つ
振り返れば、毛玉はそこにいるだろう
そして、猫缶を開けるパッカン!という音に、にゃおんと答えることを私は知っている