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連続はてな小説のことを語る

早稲田大学に入学したのは二郎だった
奨学金で足りない生活費をたこ焼き屋のバイトで工面し、夜は一人アパートで制服のソースのしみをつまみ洗いする日々
今日、あのたこ焼きの数え方を聞いてきたのが作者で、助け舟を出してくれたのが五郎丸だとは気のつくはずもない
狭い室内に踏切の警報音が響き、電車の通過に立て付けの悪い窓ががたがたと音を立てる
「あぁ、あの時のウエイトレスさんはかわいかったな…」
冷たい布団に潜り込む度に思い出すのは、あの日の喫茶店のウエイトレスさんの笑顔

けれど、そのウエイトレスさんの記憶は五郎丸には移植されてはいなかった