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連続はてな小説のことを語る

客の急な質問に答えられずに、青年は顔を赤くして、店長の行方を目で追っていた
「このお店は経木の舟に乗せてあるので、一“ふね”、二“ふね”だと思います。お皿で売っていれば、一皿でいいでしょうし、パック売りなら1パックでいいでしょうね。」
見かねて、代わりに答えると、客は「あぁ!あぁ!確かにこれは舟ですな!ふぅむ!これを川に流したなら、それは笹舟ではなしに、たこ舟ということになるのかな」と大袈裟にうなずいた
たこ焼きを手に立ち去る客を見送ると、青年はほっとした表情で私を見た
よじれたエプロンの肩ひもに手をやりながら、礼を言う青年は年齢よりも幼げに見えた