家に帰ると、うちの電気羊が電気も点けずにキッチンに踞っていた
訳を尋ねると、いつか自分も揉まれたり漬けられたり寝かされたりして焼かれて食べられちゃうんだと言う
あなたはラムでもなければ、マトンでもない、電気羊に食べられるところなんかないでしょう?と諭すと、わぁっと泣き声を上げて、自分の羊小屋に駆け込んだかと思うと、中から鍵をかけてしまった
わたしがあなたを食べることないでしょう?わたしたちは、なかよしなんだからって言えばよかった
お詫びの手紙を書こうとしたけど、電気羊の名前が思い出せない、なかよしのはずなのに
そういえば、電気羊に名前はなかった
電気羊かってなかった
うちの電気羊が…のことを語る