「1987、ある闘いの真実」と「タクシー運転手 約束は海を越えて」
両方にユ・ヘジンが出ていて、どちらもよかった
「1987」のカン・ドンウォンの「人が傷ついているのをみないふりができない」という意味の台詞と、「タクシー運転手」の光州の情に厚い人々、とりわけ優しいために優柔不断と言われるユ・ヘジンが「傷つけられる他人」のために動くところとか観ると、「暴徒」と言われる集団の中に一人一人の心があるのだと思ったり
wikiで光州事件を読むと、もっと直接的な憎悪の感情を持つ人もいたんだろうなぁとも思うけど
「タクシー運転手」のガンホさんが物分かりが悪いと言われるのは、無知だからでも頑迷だからでもないと思った
戦後、海外で出稼ぎ労働をして、帰国しても豊かではなくて、人が見れば苦労したのに冷や飯食わされている人なのだけれど、自分の幸せと同じように故国をなんとかしたい思いもあった世代だと思う
NHKのドラマ制作の番組で「一度制作サイドに気持ちが入ると、抜けられない」っていう話があったけれど、自分の苦労が国を大きくしたという気持ちがあるんだろうなぁ
それがあるから、自分は豊かになっていなくても報われたと思っていられる
ユ・ヘジンは豊かではないけれど、故郷で地縁、血縁、友人、仕事に恵まれて生きてきたんだろうなぁと思ったり
このところ、民主化運動を題材にした映画が続く理由っていうか、社会的な素地は、やたら日本と揉めている理由と同じなのかなぁとも思う
高橋源一郎さんだったかが、他国に被害を受けて、自国に裏切られた被害者が現実にいるのに、国同士が約束だ、約束が違うと言い合うのは無意味って言っていた
映画を見ていろいろ思ったけれど、流石にハイクにも書きづらいことはあって、もうちょっと考えないとなぁ