オッフィシアルに提供された過去ログエクスポート(その実過去ログ消去)機能はしかし、ダウンロードが完了しない=消去もされないというお粗末なものだった。あるいは運営に良心のようなものが残っていたのかもしれない。
ハイク終了の口実となったスパムは心なしか勢いが衰えた。彼らとて、熾烈な闘いの挙げ句燃え尽きてしまった、運営の犠牲者なのかもしれない。
そうこうしているうちに、ハイカー自ら、さまざまな手段を用いて、ログの安全なエクスポート手段やインポート先の構築を行い、また、後継サーヴィスさえ作り上げた。
ハイクの創造主であるじぇいこん(現:自転車)は、ハイクそのものを守ることはできなかったが、その遺志はさまざまな形で受け継がれることになったのだ。
じぇいこんによって生み出されたはてなハイクは、これからも形を変えて生き続ける。
すべてのハイカーがひとところに集うことはもうないのかもしれない。
しかし、そのぶん、多くの場所で語り継がれていくだろう。
11年と少しの間、BOTとスパムとわずかな人間と今月のスポンサーが共存し戯れるユートピアが、確かに存在したことを。
- 第一部 完-