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コピペのことを語る

最後にひとつ、日本人が気づきにくい問題を指摘しておきます。それは、イスラームと民主主義の対立を説くこと自体、現状では民主化推進の障害になるという事実です。イスラーム諸国の大半は一種の独裁政権であり、自由な政治活動を認めていません。イスラーム主義者はそこで民主化を求める運動を進めています。イスラーム勢力の伸張が民主主義を危うくするというのは、防戦一方の政権側がよく持ち出す議論です。そしてアルジェリアの例でも明らかなように、欧米先進国はこの考えを支持し、民主化圧殺を容認してきました。イスラーム主義者から見れば、どこにも存在しない民主主義を自分たちが破壊するという非難は濡れ衣でしかありません。イスラームと民主主義の矛盾をあげつらう前に現場の状況をよく見てほしい、というのが彼らの正直な気持ちでしょう。問題設定自体がはらむ不公平というものも考えてみるべきではないでしょうか。