新元号は令和
語頭がRって一番日本語らしくないやつだ(「日本の古典から」にこだわったらしい割に)。
音が不統一
令和って何か座りが悪いと思ったら、令が漢音で和が呉音。リョウワかレイカにした方が良いという提案は「有識者」から出なかったのか。
典拠
『万葉集』巻第五、梅花の歌三十二首に序として付いているもの。
天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴会也。于時初春令月、気淑風和、…
宴会を開いた時は初春のよい時期で、どうよいかというと気は淑で風は和である、といった意味(しかしグレゴリオ暦で2月中旬から下旬ころだろうから、実際にはそんなに天気良くなかった可能性も想起される)。
新元号発表、中国人の感想は?(中島恵) - 個人 - Yahoo!ニュースという記事を読んだ。
「中国の漢籍から取ったのではないというけれど、本当?中国の『黄帝内経』(中国最古の医学書)の『霊枢』の中に令和という言葉がある」(40代女性)
とあったので調べてみると、黃帝內經 : 靈樞經 : 終始 - 中國哲學書電子化計劃に
故寫者迎之,補者隨之,知迎知隨,氣可令和,和氣之方,必通陰陽。
云々とある。ついでに、南齊書/卷31 - 维基文库,自由的图书馆で、江謐、字は令和、という人がいたことを見つけた。
上は単に字の並びが同じ令和ということだけど、昭明文選/卷15 - 维基文库,自由的图书馆を見ると、張衡(字は平子)の「帰田賦」に、
於是仲春令月,時和氣清。
という句がある。『文選』は古くから日本でも文章の手本として重んじられたから、『万葉集』の文もこれを参照したことが考えられる。昔の漢文は先例を踏まえるのが典雅な書き方だったから、日本人も当時の東洋国際標準語をそれなりにきちんと読み書きしたということ。