何で旅が厭だとて、大便器の絶対数が駅に無く、直ぐに満員に為り
腹の緩い自分は、四六時中不安だと云って居たし、嘘では無いが、
結局は、己と向き合う対峙するのが怖いのだ。
小説を読もうにも、音楽聴こうにも、電車内は落ち着かず、没頭し過ぎは
乗り過ごしに繋がるので、己が人生を反芻する羽目に為る。
詰まり、蟠って居た鬱の欠片とも遭わずに居られぬ。
其れで、虚無にじわじわと精神を喰われるのが怖いのだろう。
翻って、何故に自分は画に携わる何乎絵空事を拵える
仕事をして居る乎ってえと、其処からの何時迄も終わらぬ逃避だと想う。
飽きる飽きないでも、好きこそ物の何とやらでも無く、退っ引き為らぬ事柄から遁げる可く
己が妄想動力炉に燃料を焼べて居無いと儘為らぬ性質なのだ。