(承前)
ふさふさの樫の木が外出から戻ったら枝をばっさばっさ伐り落とされて、なんともみすぼらしい姿になっていた。
おかげでお隣の建物もよく見える。近すぎて気まずいわ。今まではちょうどいい隠れ蓑になっていたのに。
昨晩、ツイッターで月と木星がとても近いというのを見て、ベランダに出て20分ほどしゃがんで眺めていた。
聞き耳をたてるつもりはないけど窓を開けてテレビを見ているらしい家から笑い声や会話が聞こえてきて、姿が見えてたらちょっと気まずいな、この木のお陰で紛れてよかったな、などとずっと思っていたのだった。
そんな風に木の存在を意識した、昨日の今日でこんなことになるなんて。
またふさふさになるまでにどれくらいかかることだろう。
緑の葉っぱがもうどこにも見えなくて寂しい。
朝おはようのことを語る