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通勤電車の中で考えるのことを語る

ひさしぶりの出社。ずっと在宅勤務だった。

「表現の不自由」展関連で国があいちトリエンナーレに補助金を全額を交付しないことを決めた。これは本当に将来、決定的な影響を残す事件だ。これが是とされるなら、多くのアーティストやキュレーターが補助金不交付をおそれて、最大の政治勢力に迎合した作品制作や展示ばかりをますます行うことになるだろう。これからは、芸術作品を通じて、もしくはそれをきっかけに、異なる考えを持つ他者と、時間や場所を超えて対話するための場所を提供するという美術館の役割のひとつはもはや果たされない。美術館は販路か美のプロパガンダのチャンネルとしての性格を強める。つまり進撃の巨人展のようなコンテンツ販売の一経路か、メディアラボのように「アート」でテクノロジーを美しく体験させる販路か、古典の日本画を権威ぶって提示するクールジャパニズムの宣伝に、美術館はもっぱら使われていく。それは何と成熟からかけ離れた社会だろう。