2020/4/1
メモ
1. 経済における新型コロナショックの流れ
1.1 供給ショック
・すでに起きた。
・国際的なサプライチェーンが混乱し、中間財や最終財が不足。例えば、自動車メーカーが中国などから部品を調達できなくなったので、国内大手の組立工場が操業停止。同じことがほかの業界でも幅広く起きている。
1.2 需要ショック
・今起きている。
・例えば組立工場はひとつ部品を調達できないだけで製造ライン全体を停止する。このため国内の中小企業から供給されていて在庫もまだ豊富にある部品への需要までもが急減する(中間財の需要減)。
・一般家庭ははじめ必需品を買いだめるが、やがて支出を削減して貯蓄に回す。個人消費は最低水準に落ち込んでいく(最終財の需要減)。都市閉鎖、イベント中止、在宅勤務などの影響で飲食、宿泊、小売業界を中心に失業率が急上昇する。
1.3 信用ショック
・これから起きる。
・銀行が投資しても容易に回収できなくなるので貸し渋りが進む。もしくは与信枠が縮小する。市場における資本の流動性が急低下。キャッシュフローが滞り、資金繰りで苦労していた中小企業がばたばたと倒れていく。
2. 国の対策
国が財政政策によって何とかできるとしたら1.3の部分だ(1.2を何とかしようとしても、和牛券の案などを見ればわかるように需要回復に大した効果もなく市民感情を逆撫でするだけに終わる発想しか、あの人たちにはもう出てこない)。
つまり国は信用危機を回避して市場における資本の流動性を高めるための策を講じようとする。ここで問題はふたつ。まず、日銀がすでに奥の手として長短金利操作付き量的緩和をずっとずっと行ってきていたということ。つまりイールドカーブ全体を押し下げて市場における資金の流動性を上げる策自体がそれでほぼ尽きかけている(例えば昨年気候変動による森林火災に悩まされたオーストラリアでは、豪中央銀行は今年3月なかば、コロナショックを乗り切るためについにこの同じ奥の手を使うと宣言したが、日銀はとっくに使ってきていたのでこれ以上奥にはほぼ何も残っていない)。また、昨秋一部から指摘されていたように、実は日本経済はコロナショック開始以前に消費増税により景気後退入りしている可能性がある(昨年10-12月期の実質GDPはマイナス7.1%)ということ。
要するに景気もすでにかげりはじめていたところにこの打撃。日銀はこれから何をしてもやってる感や彼らの気休め以上の効果を挙げられないのでは。かたや豪中銀は豪経済なら数年で回復すると見ているが、日本経済はおそらくそうならない。
日本ではこれから急速にいろいろなものがさらに崩壊していく。社会基盤からモラルまで。
そして、政治的ファシズムはすでに完成している。
墜落の衝撃に備えよ。