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日記のことを語る

2020/4/27

fishmansの音楽がなぜかふたたび肌に合うようになった。私が今抱えている孤独と諦念に、ぴったりと。ぼうっとして、楽になる。

妻子は3月なかばより、地方の山奥にある妻の実家へ疎開している。
私だけが東京に残って在宅勤務を続けている。リモートワークなのであれば、別に東京にとどまる必要はない? 確かにそうだが、まず、私は無症状の感染者でないという確証が当時なかった。なぜなら私は在宅勤務への移行前、外国人客がたくさん利用している路線を通勤に使っていたからだ。ここで思い出されるのはイタリア北部の事例だ。都市閉鎖の直前にたくさんの若者が各地へ帰郷したが、その中に相当数の無症状感染者がいたため、各地の高齢の両親が罹患して重症化することがよくあったと聞いている。私はそれを防ぎたかった。また、私は今の会社へ転職したばかりであり、こういうことでもなければ本来は在宅勤務を認められない立場だから、東京近郊から離れたい旨を上司に申し出ることができない。
それで自宅で毎日起きて働いて食事して寝るを繰り返している。妻と、2月下旬に1歳を迎えた息子と、もう1カ月離れたままだ。息子の成長ぶりはめざましく、1歳時点で12キロもあり、妻は腱鞘炎に悩まされている。なのに妻は健気に息子を高原の牧場へ連れて行ったりして、楽しそうな写真を送ってくれる。それを見て私は毎日楽しく、うれしく、そして悔しく、寂しく、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。それだけではなく、ときどきもっと悪いことを考えてしまう。私たちはこのままでは、離ればなれになるのではないか。
ひょっとすると終息に2年はかかるかもしれない。そんなに待っていたら、妻の苦労が大きすぎるうえに、息子は私を思い出せなくなるかもしれない。だがかといって、危険な場所へ呼び戻したくない。であれば私が行くべきなのだが、会社に認めてもらえなければ辞めることになるかもしれない。私が今就いている職はまず地方では見つかりにくい(フリーランスならあり得るが、それは不安定なのでもうやりたくない)。

今はただ期待しながら諦めているしかない。その孤独と諦念をやわらげてくれるfishmansを聴きながら。